刃物の研ぎ方
削ると木がバサバサになる時の対処法、 彫刻刀の研ぎ方についての回答をまとめています。
削ると木がバサバサになる時の対処法
A. 主に、2つの理由があります。 1、木の繊維に逆らって彫る逆目で彫っている。 2、彫刻刀の切れ味が落ちている。
木の繊維に逆らって彫る逆目で彫っている場合
☑下記動画を見てください。 そこまで逆目を気にしないでバサバサになったら 反対方向から削るという感覚でいいです。 楽しむのが一番!
彫刻刀の切れ味が落ちている場合
☑刃物を研いでください。 ・刃物が欠けた時は、木を彫った時に筋が出るので直ぐにわかります。 ・切れ味が落ちた時は刃物の滑りが悪くなります。 ・木口を彫った時、下の画像の様に白くなります。
刃物の研ぎ方
本格的な彫刻刀の研ぎ方を説明する前に
☑日本製の刃物の構造
海外製の彫刻刀は、鋼だけの構造になっていることが多いことに対して、 日本製の鍛冶屋さんで作っている彫刻刀は、 鋼と地金を張り合わせた二枚構造になっています。
☑研ぎについて、
ざっくり3工程あります。
『荒研ぎ』・・・砥石:荒砥 刃物が大きく欠けたとき。
『中研ぎ』・・・砥石:中砥石 小さな欠けや切れ味が落ちたとき。
『仕上げ砥石』・砥石:仕上げ砥石 中研ぎの刃がえりを研ぐとき。
『荒研ぎ』→『中研ぎ』→『仕上げ研ぎ』の順に研ぎます。
荒研ぎは、大きな欠けが無い限り必要ありません。
荒研ぎは、大きな欠けが無い限り必要ありません。
*本職が彫刻刀を頼み、新品で届いた時や、 彫刻刀をかなり使い込んで沢山研いだ場合の場合、 (赤で囲んだ平な所がなく)、刃物の裏側(鋼側)が少し裏が凹んでいる所が残ります。 この場合、 中研ぎ(表)→中研ぎ(裏)→仕上げ研ぎ(裏)→仕上げ研ぎ(表)の工程の前に、 中研ぎ(裏)で、この平な面を出すことが必要です。 この凹みは裏すきと呼びます。 矢印の順で平らにしていきます。 黒い部分を全て平らにするのは労力が大変なので、 使う部分だけを平らにする、裏の研ぎ(主に平ら出し)時の労力を減らすための手法です。
裏すきを作る研ぎ方
先ず裏側を綺麗に真っ直ぐにする。 その後、表側を30度程の角度で真っ直ぐに研ぎます。 丸刀は、少し研ぎ方は変わりますがイメージは同じです。 (柔らかい木材を彫る時は角度を27度にしたり、 硬い木材の場合は32度にすることもあります。)
*用意するもの ・中砥石 1000番 (本当はダイヤモンド砥石、鉄板が良い) ・霧吹き ・仕上げ砥石 3000番程 中砥石は目詰まりしやすいので、黒くなったら直ぐ洗って下さい。 一度使ったら同じ砥石同士をすり合わせて砥石も平らに直して下さい。 (中砥石は2個あると良いです)
成功例:均一に平らになる様にします。
中砥石で平らにしたら、次は仕上げで傷をとっていきます。
失敗例
砥石にぴったりと押し付けて研がないと平らになりません。 矢印の少し曇りが出ている部分が段になっています。 もう一度やり直して平らにして下さい。
平刀の研ぎ方
中研ぎ
使用砥石:中砥石1000番 (番号は、粒度が荒いものの数字が低く、大きいものが細かい)
仕上げ研ぎ
使用砥石:仕上げ砥石 3000番程 金物屋で売っている人工砥石やホームセンターで購入のものでよい
刃裏面の研ぎ
丸刀の研ぎ方
☑丸刀用の砥石を作る。 丸刀にちょうど良い溝の砥石が売っていないので、 丸刀用の砥石の作り方をみてください。
☑研ぎ。平刀のような裏研ぎは必要がない。
彫刻刀の研ぎ方について、もっと知りたい場合の動画
YouTube動画【仏師が教える彫刻刀の研ぎ方の再生リスト】を ご覧ください。
上記以外で、ご不明点等ありましたら、下記にお問い合わせください。
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